6月10日 *repo* arai
3年ぶりに訪れた岩手の渓は……
森とさかな……森が輝きはじめる季節、さかなたちも生命の輝きを謳歌し始める。
この季節、豊かな森に育まれた渓流を訪ねるたびに、改めて深く想うのは、森とさかなとが一つの生命体であるということです。
待ちに待った東北遠征です。何ヶ月も前からこの日のためにスケジュールを調整してきました。夜明け前に立ち寄ったSA、
仮眠をとるはずでしたが、だれもが興奮に眠れなかったようです。
今回のメンバーは、昨年の初・遠征以来、「東北病」にうなされ続けた(?)神さん、菊ちゃん、
そして今年 NewFaceの順坊が加わって、4人での釣行です。
初日は日曜日、昨年の経験から、お目当ての川はきっと釣り人だらけだろうと読んだ我々は、まずは岩手の渓流を目ざします。
3年ぶりに訪れる懐かしい渓 ……、最初に我々を迎えてくれたのは監視員のおじさんでした。
林道の入り口に停められた軽トラックから出てきた彼は、笑顔で釣り券の提示を求めます。
すぐに運転席の私が代表で券を見せますが、不服そうに車の中を覗き込みます。
どうやら4人全員の券を確認しないと気がすまいようです。
でも、その理由はすぐにわかりました。車止めに到着すると、すでに4台の車が!
林道の崩落で昨年の夏まで釣り人の進入を拒んできたこの川ですが、今年一気に、多くの釣り人が押しかけているようです。
二手に分かれて出発します。いったん林道を下り下流から釣り上がる若者組と、
そのまま林道をしばらく歩いてから入渓するおじさん組です。
おじさん組が入渓すると、すぐに嫌な予感…… 真新しい足跡や捨てられて間もないタバコの吸殻。
さらには、突如上流に現れたルアーマン。
それでも、釣り始めて二つ目のポイントで、神さんがヒット!25cmくらいですが、
待望の東北岩魚との再会ににっこりです。
けれど、まもなく下流から 4人組の団体さんが! しかも中の一人が私の名前を読んでいるではありませんか!えっ?
見ると、ロフト仙台支部の Sakaiさんです。なんともびっくり! でも、うれしい再会です。
Sakaiさんから、先週までの良い状況を聞き、どうにかやる気を取り戻します。
さらに上流へあと一時間は歩くと言うSakaiさん達と別れて、釣りを再開します。
ちいさなスポットや人の歩かない対岸の竿抜けポイントを丹念に探っていくと、魚はしっかり応えてくれます。
大場所の反転流は、本来だったら尺越えに出会えるはず(?)のポイントですが、この日は27cmどまりでした。
午後からはペアを入れ替え、さらに上流を目指します。
張り出した木の枝の合間を縫って、難しいキャストを決める菊ちゃん。
すべてがばっちり決まった時、魚を手にする喜びは格別です。
尺上こそ出なかったものの、皆それなりに満足して車まで戻ってみれば、Sakaiさんたち最上流組は、
なんと33cmと30cmが出たそうです! さすがです!
「しばらく歩いて適当なところから入渓する……」きっとみんな同じこと考えるんですね。そういえば過去にも、
このパターンで、先行者の後を追いかけてしまったり、人の最も多い区間に入ってしまったりしましたっけ。
今日一日の釣りを振り返り、明日こそは尺!と、尽きぬ話題に車中はまたも盛り上がりながら、車は、
本日の宿・雫石のペンションを目指します。
そしてペンションでは、その勢いのまま、おいしいご馳走の数々とワインとを前に、さらに盛り上がっていくのでした……。
(2日目「奇跡の尺ラッシュ」につづく)