3月25日〜 *repo* 岳
北海道アメマス釣行(荒行?)
今年も行ってきました、恒例の北海道パワーウエット再入門合宿です。
すでに3年目となり、もはや「入門」なんて言っていられないのですが、実は、またもやってしまったのです……(汗)
そうです、あれから一年、まったくサボって、ダブルハンドロッドを一度も握らずにいたのです。
それでもフライだけは、2ヶ月前から巻き貯めて、なんとかボックス一杯に揃えることができました。
フライはグレーゴースト。
この時期、鮭稚魚を求めて川に差し込んでくるアメマスに絶大な効果を発揮するストリーマーです。
今年は、雪代による濁りが予想されていたので、よりアピール度の高い色を使ったパターンも加えてみました。
さあ、これで今年こそは、念願の60アップを!
ところが、そんな意気込みは、十勝の大河川の広大な流れを前にして、あっという間に萎えていきます。
そしてそれは、流れの中、腰まで立ち込んで、ロッドを振り始めた途端、脆くも崩れ去っていきます。
うっ、投げられない……。
ぎぇっ、飛ばない……。
――こうなることはわかっていながら、今更のように、甘かった自分が悔やまれます。
どうにか体がロッドワークに馴染んできたのは、2日目に入ってからです。
相変わらず飛距離は悲しいものですが、それでも、ターンオーバーがきっちり決まり、うまくフライが泳いでくれると、
元気一杯のアメマスたちが反応してくれるようになります。
ところが、その頃から雪が降り始めてきました。
やがてそれは、みぞれに変わって、身体の芯から凍えさせます。
降りしきるみぞれの中、痛くて感覚を失いかけた指先で、ロッドを振り続ける姿は、まるで修験者の荒行です。
午後2時を回り、5匹目をキャッチしたところで、ついにギブアップ。
宿の温泉に直行です。
そして最終日。
キャスティングのトラブルが減るにしたがい、「ダウン&キャスト」のリズムも取れるようになってきます。
どこまでもフラットで広大な流れは、どこが魚のつき場所なのか見当もつかないのですが、魚との出会いの鍵となるのは、
水深とタナです。
キャスト後ラインを送り込み、フラットビームを一定のテンションに保ちながらフライを魚の泳層にスイングさせます。
「これは釣れる!」、魚とのコンタクトがある時は、その直前、フラットビームを通して伝わる微妙な指先の感覚で、
なんとなくそれがわかるようになってきます。(あくまでなんとなくですが…)
この日、水温の低下のせいで魚たちの活性は低くなっているのか、アタリがあるのに乗らない、辛抱の釣りが続きます。
(写真はプロフィッシャーの奥田氏)
フライのローテーションも重要です。
たとえば、ドロッパーに結んだ黒いグレーゴーストでのヒットが続いたと思ったら、ある時間帯それがぱたりと止まり、
今度はリードフライのスタンダードで連続ヒットしたりと……。
(フライはグレイゴースト・スタンダード#8)
と、学ぶことだらけで、それらを消化したとは言えないうちに、帰りの時間が近づきます。
無謀にも夢見た60cmアップにはまだまだ遠い道のりがあることを思い知らされましたが、
その遠い道のりに踏み出すきっかけを見つけさせてくれた魚たちに今年も感謝して……。