6月17日 *repo* GAKU
『激震の東北遠征』 後編
そして迎えた最終日。
帰りの時間の都合などもあり、我々が選んだのは「第2区間」です。
入渓早々にKIKUちゃんがヒット。
ですが、なかなか後が続きません。
出ても、すっぽ抜けたり、フライ直前でUターンされたり。
うーん、相当スレているようです。
そう言えば、オーナーのお話でも、今年はこの区間では良い話は聞かないそうな。
やはり、早くに雪代が上がり、減水が続いているのが大きな要因でしょうか。
で、それに加えて、先日の kiyo さん一行はじめ、大勢の教育係のレッスンが続いたせいで……?
前半は、いわゆる「いかにも美味しそうな所」を流しても一向に反応がない状態に、辛抱の釣りが続きます。
フライを直前で見切る岩魚の姿を見ていて、ふと、思いついたのが、岸の岩上を這い回るムネアカオオアリの存在です。
そのリアル・パターンに結びかえると……。
途端に反応が良くなりました。
KIKUちゃんにもその旨を伝えて、しばらく行った時でした。
先行していたKIKUちゃんのロッドが、大きく曲がっているではありませんか!
すぐに駆けつけると、ロッドがのされたまま上げられずにいます。
どうやら、水中深く岩の中に潜られてしまったようです。
何とかその大物を引き出そうと格闘を続けていると……。
ん〜〜〜!! 痛恨のバラシです。
聞けば、大きな反転流の中のスポットで掛けた瞬間に、そいつは今までないほどの手応えとともに猛然と走り、
それを止めるまもなく突っ込まれてしまったとか。
そういえば、たしか先日 kiyo さんにも同じようなことがありましたね……。
この川の、恐るべきポテンシャルを感じます。
再び集中を取り戻した我々は、その後、狙う場所を絞って攻めて行きます。
28pクラスですが、数を重ねていきます。
そう言えば、午後になり強い日差しと共に気温も上がってきたせいか、魚の活性も上がってきたようです。
それは、ゴールが見え始めて、もうまもなく終了かと思われた時でした。
こんなポイントです。
KIKUちゃんお見事! 昨日に続いての尺岩魚です。
倒木の奥、掛けた瞬間に走られ、危うく水中の倒木に巻かれそうになったそうです。
辛抱の釣りが続いた二日目も、どうにかこの尺岩魚で幕を閉じることができそうです。
正直、ホッとしました。
とは言え、ゴールまで距離にして150mくらいですが、まだいくつかポイントはあります。
「KIKUちゃん、ゆっくり撮影会を楽しんでね♪」
ひそかに集中モードに切り替えて、先行させてもらうと……。
KIKUちゃんが撮影している間にも、次々と連続ヒット。
どうやら魚たちのスイッチが入ったようです。
時間なのか区間なのか、わかりませんが、午前中の渋い状況が一転していたのは確かです。
で、ようやく私にも出ました!
まだ完全とは言いがたい痩せた魚体がこれからを思わせますが、どうにか「壁」に届きました。今回初の尺岩魚です。
ホイッスルを吹き鳴らし、かねて約束していた合図をKIKUちゃんに送ります。
そうです、私もようやくニコパチを撮ってもらえます♪
まるでドラマのような展開ににんまりするものの、ちょっと引きつっています。(汗)
さあ、ゴールです。
ところが、ドラマはまだ終わっていなかったのです。
それは、まさに最後の最後、落差のある流れが、小さいながらも深みを形成していて、大岩の向こうに反転流が出来ている
格好のポイントでした。
猛然と走る相手を、ふらつく足で下流へと導き、なんとかネットインしてみると……。
スレンダーな体型ですが、面構えは立派です。
いつの日かまた会えることを願ってリリースすれば、ちょうどリミットタイムです。
―― 今年もまた、いろいろとあった東北遠征でした。
帰りの道すがら、心配をおかけした皆様に、ひととおり無事の報告をし、
こうしてまた魚たちと遊べる冥加を噛みしめるのでした。